• 小
  • 中
  • 大

会長挨拶

議長

久保千春
日本心身医学会名誉理事長、日本心療内科学会理事長

このたび、第2回心身医学関連合同集会を開催することになりました。前回の第1回は2009年6月6、7日、東京にて日本心身医学会、日本女性心身医学会、日本小児心身医学会、日本歯科心身医学会、日本心療内科学会の5学会が合同で主催して開催されました。その時のテーマは、「近未来医療を担う心身医学」でした。
第1回が開催され10年を経過し、今回は、日本心身医学会、日本心療内科学会、日本歯科心身医学会、日本皮膚科心身医学会の4学会が主催し、日本女性心身医学会、日本小児心身医学会、日本耳鼻咽喉科心身医学研究会、心療眼科研究会の4学会が共催で開催されます。テーマは「心身医学の未来戦略〜これまでの60年、これからの60年を見据えて〜」です。
少子高齢化、核家族化、情報化、AI、グローバル化、民族紛争、経済格差などで現代社会は大きく変化してきています。心身医学、心身医療を取り巻く環境は大きく変化してきております。社会から求められるものも変化してきています。このような中で、関連学会が一緒になり、研究発表や意見交換を行うことは、大変有意義であります。これらの成果を社会に発信していくことは、大変重要です。
興味ある講演やシンポジウムが組まれております。ぜひ、多くの方にご参加をお願い致します。

関連学会長

第60回日本心身医学会総会ならびに学術講演会 会長 福永 幹彦

第60回日本心身医学会総会の会長および、第二回合同学会の幹事会長を務めさせていただきます。我が国の心身医学は、1959年に日本心身医学会の前身が設立、以降女性心身医学、小児心身医学、歯科心身医学、心療内科、皮膚科心身医学と臨床分野別に学会が設立されました。また学会にはなっていませんが、耳鼻科心身医学研究会、心療眼科研究会も活発に活動されており、多くの臨床分野に裾野を広げています。世界的に見ても、ドイツに次ぐ規模で、世界の心身医学をリードしています。近年、中枢と身体の密接な関係が科学的に解明されるようになり、学問的には心身医学は新しい段階に入ったと言えます。
しかし一方で、膨大な情報と厳密な管理といった、ストレスフルな現代社会は、心身の不調を訴える人々を急増させていますが、我々の診療体制は十分ではありません。時代の要請に応えて、新時代の心身医学を創造すべく、心身医学関連の学会が力を合わせて、第二回合同集会を開催します。テーマは「これまでの60年、これからの60年を見据えて」としました。大きく変貌するであろう60年後を想像し、心身医学のヴィジョンを明確にする必要があると考えました。「心身一如」の医学にこころ惹かれる皆様、合同学会に参集し、ともに未来を切り開きましょう。


第24回日本心療内科学会総会・学術大会 会長 小山 敦子

このたび、第2回心身医学合同大会の中の第24回日本心療内科学会大会長を拝命しました近畿大学心療内科の小山敦子です。大変栄誉なことと感じ入るとともに、身の引き締まる思いで鋭意準備に取り組んでおります。
来年は日本に心身医学が根ざして60年の節目、心療内科学会が発足して24年になります。この間、広告のできる専門医としての心療内科専門医の確立、また今年度からは緩和医療領域で精神腫瘍医として心療内科医の立場が確立しました。当初は”Seven Holy Diseases”と呼ばれる疾患群を中心に発達してきた心療内科学も時代の変遷とともに求められる社会的役割にも変化が見られ、現在ではサイコオンコロジー・緩和医療の面でも大きく貢献しています。
今回の学会ではその流れを受けて、臨床面では基本となる疾患群の最新の知見、治療技法の実践を盛り込み、サイコオンコロジー・緩和医療からサイコネフロロジーまで幅広くプログラムを展開します。また、研究面では初学者でも研究への取りかかり方から論文作成までの具体的方策を学べる企画としました。その他にも日独交流企画、治療的自己や災害シンポジウムなど心療内科学会が継続して取り組んできたプログラムもあります。この学会の取り組みには近畿大学をあげてご支援を賜り、「近大革命」の著者でもある世耕石弘氏に記念講演をお願いしております。
このように盛りだくさんながら、明日からの実践に役立つことを目指した合同学会、心療内科学会にぜひお越しください。大阪の地で皆様を心からお待ちいたしております。


第34回日本歯科心身医学会総会・学術大会 会長 松本 尚之

この度、第34回日本歯科心身医学会総会・学術大会 大会長を引き受けさせていただきました、大阪歯科大学歯科矯正学講座の松本尚之です。日本歯科心身医学会とは、歯科心身医学を中心とした学問を取り扱う学術団体で、歯科医師を中心に、患者さんの精神や心理の、「こころと体の関係についての問題」に取り組んできた学会です。近年、歯科心身症については、口腔領域に限局した症状に加え、精神的既往を有する患者の割合が増加してきています。本症と精神的疾患との関連はこれまでも示唆されており、精神的疾患の回復期に口腔内症状を発症することも報告されています。歯科が主体となり対応しなければならない患者さんには、精神的疾患についても配慮し、適切な治療を行うことが重要であり、このような統合的な知識に基づく歯科治療が、今後、私たちに求められる新しい歯科心身医療ではないか、と考えます。
今回は、医科系の学会との共催ということで、歯科以外の多くの症例や対処法などについて学ぶ機会を得ることができると思います。各学会のみなさまにおかれましては、興味の湧く、多くの企画が用意されることになっています。これらの機会を生かし、得ました多くの知識が今後の診療の糧になりますよう願っています。
できるだけ多くの会員の先生方にご参加をいただければさいわいです。


第10回日本皮膚科心身医学会 会長 羽白 誠

このたび我々日本皮膚科心身医学会は心身医学関連学会合同集会に加えていただくことができました。これは学会員一同が喜んでおり、お声かけ下さいました議長の久保千春先生に感謝申し上げます。第1回の時はまだ学会としての体制ができておらず、前身の皮膚科心身医学研究会でした。皮膚科心身医学研究会は1987年に創設され、年に1回開催されて、第24回まで続きました。そして2011年に第25回目の位置づけとして、第1回日本皮膚科心身医学会が開催されました。学会としての歴史はまだ8年半ですが、研究会時代を含めますと32年の歴史があります。皮膚疾患はとてもこころと関係が深く、こころの問題が皮膚疾患に影響を及ぼすことのみならず、皮膚疾患は外から見えるために疾患を持つことによる患者さんの苦痛は大きなものとなっています。近年になり、多くの皮膚科医は皮膚疾患のみを診るのではなく、その患者の心理社会的背景も併せて診る必要性を認識しております。しかしまだ実践をしている皮膚科医が少ないのが現状です。学会としてより多くの皮膚科医に心身医療が実践できるように知識や技術を伝える努力をしており、まだまだ発展途上にある学会です。このたびは合同集会に参加して、皮膚科医がより心身医学を身近に感じてもらえるようになればと願っております。

企画共催 担当理事・委員

日本女性心身医学会 担当理事 相良 洋子

この度、第2回心身医学関連学会合同集会が開催されますことをこころよりお慶び申し上げます。日本女性心身医学会は、シンポジウムの形で参加させていただきます。今回の合同集会のテーマは「心身医学の未来戦略」ということで、過去から未来への流れを考えるものになっていますが、合同企画では、生老病死というライフサイクルの流れにもひとつの視点がおかれています。日本女性心身医学会は、この中の「生(誕生)」の部分を担当させていただきますので、シンポジウムもこれに合わせて「周産期」をテーマに企画いたしました。周産期の心身医学的問題は世代を超えて未来に受け継がれていくという特殊性があります。様々な領域の方に、この問題について考えていただくきっかけになれば幸いです。


日本耳鼻咽喉科心身医学研究会 代表世話人 小川 郁

耳鼻咽喉科心身医学研究会は第一回日本心身医学合同集会(2009年6月)の際に当時の運営委員長の山岡昌之先生より耳鼻咽喉科には心身医学の研究をする会がないというご指摘を受けまして設立を思いつきました。おかげさまで2009年10月には第一回の耳鼻咽喉科心身医学研究会を行うことができました。2018年10月には早くも10周年を迎えることができました。第2回日本心身医学会合同集会に参加させていただくことを大変光栄に思います。耳鼻咽喉科における心身医学はまだまだ始まったばかりですが年々その必要性は高まっています。本会を通じて他学会との交流を深め、心身医学の発展および耳鼻咽喉科における心身医学の普及に尽力したいと思っています。


日本心療眼科研究会 世話人代表 若倉 雅登

私ども心療眼科研究会は2006年ごろに杏林大学眼科気賀沢一輝氏と、若倉とで眼科における心身医学部門の必需性について議論し、研究会の立ち上げを準備しました。翌年6月に東京の井上眼科病院で第1回心療眼科研究会を開催したところ、本会顧問の東京女子医科大学精神科教授(当時)による特別講演「眼科患者における臨床精神医学」と、わずか3題の一般講演でしたが、50名以上の参加がありました。教育講演、症例検討を中心に毎年テーマを絞りながら回を重ね、第12回は「眼疼痛の心身医学」をテーマに3時間を超える議論が行なわれました。このたび、第2回日本心身医学会合同集会に参加させていただける貴重な機会をいただき深く感謝しております。